VOICE



優しくて柔らかいアコースティックギターの音色が、小さな部屋中に広がった。

う、わぁ……!!

信じらんないくらい綺麗なメロディーを奏でる海斗の指に横顔に、私は見入ってしまった。

そして、“ららら”で歌詞の入る部分を歌い出した。
極上のバラードだ。こんな狭い部屋で歌うにはもったいないくらいに綺麗で、透明なメロディー。

……やば。かっこよすぎるよ!

またまた私の顔はかなり緩んでしまう。
それくらい海斗の姿に見惚れてしまっていたんだ。





――ポロン、と最後の音を海斗の指が弾いた後も、私はぼ~っとして彼の顔を見つめままだった。

目が、離せない。

そんな私に気付いた海斗はニンマリ笑って私にズイっと顔を近づけた。

「なに~?まさか歌夜、俺に見とれちゃってた~?」

「な……っ!?」

ふざけて言ったんだってわかってるけど、もろに私は反応しちゃって、言葉に詰まった。カッと頬が熱くなったのがわかる。

やだ!ちょっと、なんで私赤くなってんの?!
ドキドキするし……まさか私?!

なんて、自分の反応にびっくりしてる私。

そして海斗も私の反応に目を丸くして、固まってた。

そして次の瞬間。ほんとに小さな声だったけど、呟くのが微かに聞こえた。

―――やべぇ……。