VOICE



さあ、ひとバンド挟んで、次は私達PRISONERの出番だった。

まださっきのドキドキが胸にくすぶってる。

私達もオーディエンスからあんな風に見えてるのかな?

私も?

なんだか急激に恥ずかしくなってきた!

ヤバい!緊張!
どどどどうしよう!?
し、失敗したらどうしよう!?

「歌夜?!どしたの?すっげえヤバい顔してっけど?」

「かっ海斗!私、さっきのアキトさん達みたいにかっこ良くできるかな?どうしたらあんなにスゴいライブになんのかな?!わ、私、すっごい下手だし、みんなと違って女だし……っ?!」

わけわかんなくなってまくし立てる私の両のほっぺを海斗がムニッ、と引っ張った。

「な~に言ってんの!俺らは俺らの音楽をやればいいの!よその真似してどうすんの?確かに音速メテオロイドはかっこ良くてうまかった、だけど俺らがそれを真似てどうする?」

海斗はにっこり笑い、私の肩を叩いて紅志と珪甫を見てからまた私を見た。

「俺たち4人には4人にしか出せない音や、俺らにしか出来ないステージングがあるだろ?歌夜は胸張っていつもどおりの音を俺にくれたらいいの!わかった?」

「……うん」

いつもと違ってすごく真面目に言ってのける海斗の言葉に、私は素直に頷いてしまった。