VOICE



そんでもってあのボーカル!


どこからそんな声が出るんだ、ってくらい細い躰で出す声は今まで聴いたことないくらい力強い。


そして、金色に近い髪を揺らしながら、その指はギターを弾く。


視線はオーディエンスに向いたままでも、躊躇うことなく正確なコードを奏でていく。


彼らの音楽はストレートで、私達の中までぐいぐい伝わってくるほどにパワフルで。でも、どこか脆さも感じられる音だと思えた。


ヤバい……なんか、引きずり込まれそうな、声。


整った顔のボーカリストは一曲目のラストに、もう一度強烈なシャウトを絞り出してからニッと笑った。


そしてマイクに向かって。


「はい、俺達“音速メテオロイド”です!よろしく!超カッコいい曲たちばっかりやるから暴れてってね~!」


あ、話すと意外と柔らかい。


「ちなみに今の曲は“DOOM”新曲だから!じゃ、次行くよ!」


彼の言葉が終わるか終わらないかのうちに、ドラムスティックが振り下ろされるのが見えた。


そこからはもう待ったなしの激しい曲たち。


あっという間の一時。