VOICE






―――ステージは仄かに明るい。

さっきまでガヤガヤと賑やかだったオーディエンスも客電が落ちたため、静かになった。

私達4人、そんなオーディエンスの一番後ろにこっそり陣取った。

今日の出番は3番目だから1番目のバンドの演奏を見せてもらうことにしたんだ。

そう言えばアキトさんのバンドいつでるんだろ?

さっき訊くのを忘れてしまった。バンド名すら聞いてない自分にバカだなあ、と思いながら一組目のバンドを待つ。

私は左側にいる海斗をチョンとつついて背伸びをした。

「ね、最初のバンド、なんて名前?」

小声で聞いた。

「ん?確かね~“音速メテオロイド”だったかな」

「音速……?!」

私が復唱しかけた時、ステージがパッと明るくなった。反射的にステージに目をやれば。

「あっ!アキトさん?!」