それから数分後。私と海斗、紅志は彼に向かって頭を下げ、お礼を言っていた。
「いやいや、とにかく無事で良かったよ。ああいうヤツは一回シメといたほうがいいよね」
アキト、と名乗った彼は、敦士が私にしようとしたことを海斗たちに説明してくれた。それを聞いた紅志なんて顔色が赤くなったり青くなったり、見ていて面白いくらいだったんだけど。
それを楽しむよりも私はまだ少しボーッとしてた。
でもそれは怖かったから。じゃなくて。
「かっこいい!!」
「……は?」
私の呟きに振り向いた海斗が目を丸くした。
それもそのはず、私は両手を胸の前で組んで、アキトさんを見てたから。
「え~、また?よだれ出そうな顔だよ、歌夜……」
呆れた声が聞こえてきたけど、気にしない!



