VOICE



「よぉ。今日はまあまあな格好してんじゃん」

そう言って、ニヤニヤ笑いながら私の手を掴んでるのは私が一番会いたくない男。

「あんた……BLACK NOISEの!離してよ!」

そうだった。今日はこいつらもいるって事、すっかり忘れてた。

サングラスをかけてる目はどこを見てるのかわかんないけど、こんな狭い場所に引っ張り込まれたこと自体、ヤバい。

「なぁ、どこがいいの?アイツの」

敦士は空いてる片手で私の顎に触れた。

「……っ!ちょっと触んないで!」

振り切ろうとした腕は、軽く払われた。壁際に押し付けられて逃げ場がない。

ヤバ……マジで、こえぇ!!

「岡崎なんてやめてさ、俺んとこ来いよ」

イヤらしい笑みを浮かべた敦士は、片足で私の膝を割って踏み込んでくる。一瞬で鳥肌がたつ。

「だから!私は岡崎さんとは何にも……っ!?」

「俺さぁ、うるせぇ女は好みじゃないんだよな、黙れ」

そう言った目の前の最低男、あろうことか私に顔を近づけてきやがった!

はぁ!?マジで!?

あまりに最悪な状況に私の体と思考がフリーズ!しかけた時だった。





「感心しないなぁ~、こんなとこに女の子連れ込むなんて~」