VOICE



あの日から1週間。
私たちPRISONERは、“SCOOP”っていうライブハウスにいた。

ドラムの珪甫が新しく加わった、4人での初ライブ!
興奮しないわけがない!

「オレンジよりは狭いな、やっぱり。100人入ったら一杯じゃね?」

リハの時間、海斗はオーディエンス側からステージを眺め、言った。

海斗の衣装、今日は少し可愛い。濃紺色がベースの赤いチェックのパンツに、同じ柄の細身のネクタイを緩く締め、同じく濃紺一色のジャケットにピンバッヂを沢山つけてる。髪はフワフワ。

「楽しみだねー今日!ケイのステージでのドラム、初めてだよ!」

私はワクワクしながらベースの弦をビンッと弾く。

今日は自分で髪をセットしたから、簡単におだんごをてっぺんに。
服は黒のスリムパンツにちょっとセクシーなホルターネックのキャミ!
父さんほどじゃないけど化粧も少し。

私の格好見て、紅志と珪甫が固まってたのは面白かったなぁ。

私がくすくす思い出し笑いをしてたら、バスドラムをズンズン鳴らして珪甫がツッコんできた。