私と珪甫に否定された海斗はといえば。
やっぱりしょんぼりと頭を下げ私の肩に寄りかかってきた。
「そんなに俺じゃダメなの~?」
「ひぃ~~っ!くっついてくんな~!」
逃げる私。わざとくっついてくる海斗。
「なっにを……しとんじゃバカっ!!」
スパーン!!
あ、いい音がした。
見れば紅志がお店のメニューを持って腰をあげていた。
やべ……怖いよ……。
「酔っ払いのオヤジか、お前は?!」
「いて~~。ごめんごめん」
頭をさすりながら謝る海斗をもう一度軽く叩いてから、紅志は座り直して私達を見た。
「それから──」
―――……
「えぇっっ!?」
「うそっ!?」
「マジかよ」
またまた紅志の話を聞いて私たちは驚きの声をあげた。
「出れるのか?!そんな大きいイベント!」
海斗が拳を握りしめて身を乗り出した。
「エントリーは先着順らしいからな、取りあえず申し込んだ」
紅志が残ったご飯を口に運びながら答えた。
どうやら彼は、夏にある大きなライブイベントに応募したらしい。毎年やってるイベントらしいんだけど私はよく知らない。
「ねぇ、それってそんなにスゴいの?」
私が軽く訊いてみると、海斗でも紅志でもなくて、真ん前の珪甫が口を開いた。有り得ないって顔で。



