VOICE



「またアイツらに会うのか~、俺やだなぁ」

海斗がブスッとした顔のまま目の前で肉から炭になりつつある、取り残されたレバーをつつく。

そんな海斗に紅志がニッと唇を上げて一言。

「自信ないのか?」

「ムッ!なんだとぉ!?自信なんて満々だ!アイツらなんてこてんぱんに負かしてやるよ!」

そう言った海斗は勢いよく箸をテーブルに叩きつけた。

「よし。それでこそ我がリーダーだ」

「そうそう、さっすがリーダー……えっ?!海斗がリーダー?」

紅志の口から出た単語に私は耳を疑った。
てっきりバンドリーダーは紅志のつもりでいたのに。

私の正面で同じように目を丸くして斜め前の海斗を見てる珪甫も。

「なに?このバンド岡崎さんがリーダーじゃねぇのかよ?!」

若干の怒りが含まれてる気がするけど。

「そうだよ~ん!リーダーは俺様海斗様だっ!お前らリーダーを敬えよ~!」

にんまりと得意気な顔になり、胸を張ってふんぞり返った海斗の横顔を見ながら私は呟いていた。

「こんなリーダー、イヤだ……」

「俺も遠慮したい……」

どうやら初めて珪甫と気があったみたいだ。