VOICE



食べる勢いがひと段落付いた頃、ふと思い出したように紅志が口を開いた。

「そういえば、また来週末にライブ出られるから」

表情を変えず、カルビを口に放り込む。
紅志は見かけによらずめっちゃ大食いみたいだった。さっきからノンストップで肉や野菜を口に持っていく。

なんで太んない?!

と、まあそんな私の疑問は置いとくことにして。

「え、え、ライブって、またオレンジでやるんですか?!」

ORANGE DOTS、私達が初めてライブやって、珪甫とも出会ったハコ。

「いや、今回は別。もう少し狭いかも。でも今度は客入るんじゃないかな?また……アイツらがいるから」

後半、苦虫を噛み潰したような顔で告げる紅志。

「アイツらってまさか」

私も顔が引きつる。

まさかまさか……。

「紅志、まさかそれってブラック……なんだっけ?」

「海斗、もう忘れたの?ブラック・マウスだよ!」

自信満々で言う私。

「……惜しい、あと1ミリだ」

無表情で紅志が言えば、冷めた目で私達を見てる珪甫がいたりして。

「まさかBLACK NOISEのこと?」

と呟いて呆れ顔になった。