ツンツン。
海斗が私の肩をつついた。
「歌夜、また目がハートになってる」
「へっ!?やっ、そんなことないって!」
ニヤニヤした顔で私を見てる海斗にブンブン首を振った私の視界に、チラッと紅志の顔が入った。
……?!
心なしか彼の顔が赤く染まってるような、気が……。
したと思ったら、紅志はパッと立ち上がり声をあげた。
「おら!お前ら全員早く用意しろ!練習するぞ!」
クルリと後ろを向いてギターのアンプをいじり始めてしまった。
気のせいかな?ま、いいか。
「よ~しっ!練習練習!頑張るぞ~っ!!」
「おぅ!あ、珪甫、もうあの曲覚えたか~?」
「どの曲?」
「えっとさ……あ~、タイトル忘れた」
「忘れんなよ!仮にも自分が作った曲でしょ?!」
「だって仕方ないじゃん!!
この時、ギャーギャーと騒がしい会話が3人の間に飛び交う輪には加わらず、静かにギターを手にし、私の様子をさりげなく見てた紅志に、私は全く気付かなかったんだ……。



