VOICE



で、やっと楽器屋に着いた私はまだ少しブルーな気分を残したまま、店長さんに頭を下げて、スタジオのある2階へ上っていった。

そして私が階段を上がりきって廊下に出た時、それは起こった。





「「あぁ~、こっちから願い下げだっ!辞めてやるよっ!こんなバンド!!」」





へ?!

私の目の前で、廊下の左右の防音ドアが同時に開いて、それぞれ一人ずつ男の人が出てきた。

奇遇にも同じセリフを吐き捨てて。

シンクロ?!

ていうかなに?ダブルで仲間割れっ?!

私はその二人の向こうにあるスタジオに行きたいんだけど……。

なんだか気軽に間を通り抜けるのはできそうになかったから、とりあえずその場でこっそり様子見することにした。

私に見られてるのには気付いてない様子の二人は顔を見合わせた。そして。

「見てんじゃねぇよ!」

「アッハッハッハ……!」

大きな声で睨みをきかせた一人と、堪えきれず笑い出した一人……って感じ?

なんか、面白いんですけど。この見知らぬ人達。