VOICE



しばらくして登との話を終えた私は、この前の貸スタジオへと足を向けた。今日もスタジオで練習。
さすがに海斗のはなれにはドラムセットは置けないから、週に一回はスタジオを借りて4人で合わせることにしたんだ。

私は騒がしい街の雑踏を無視するように、イヤホンを耳につけた。
スタートボタンを押して音楽をスタートさせる。

それは紅志が入れてくれたPRISONERの曲たち。海斗の声は入ってないけど。

「これドラムは打ち込みだけどベースは岡崎さんが弾いてんだよなぁ……」

ぼそりと呟きながら、私は少しだけ気分が憂鬱になる。

だって今の私のベースの音より絶対にこっちのが巧い。
私なんかが弾いてていいんだろうか、って最近すごく考える。もちろん毎日練習はしてるし、自分でも少しは上手くなってきた気は、する。

でも。

「あぁ~あ、私これからあの3人についていけるのかなぁ」

ふぅ、と溜め息がこぼれた。