「ね、登」
「なに?」
「イジメ、大丈夫?キツいでしょ?」
数日前に見た光景が思い浮かぶ。
あんなことされて平気なわけ、ない。
他の誰かがイジメられるくらいなら、自分がイジメられたほうがまし。そう言ってた登だけど、ツラくないわけがないんだ。
私はその可愛い顔を真剣に見つめ、答えを待つ。
しばらくはジッとテーブルを見つめていた登だったけど、ふ、と静かに笑みをこぼした。
「まあね、正直キツいなって思うよ。でも……今は大丈夫。歌夜たち、PRISONERの音楽があるから、平気」
そう言って、今にも壊れそうな笑顔を浮かべるから、私の方が胸が苦しくなった。
思わず両手を伸ばして、正面にある登の頬を包むように優しくつねる。
「な、なにふんほ……?」
きっといっぱい我慢してるんだよね。
「どうしてもツラくなったら、私を呼んでよ。またあんなことする馬鹿達、ぶっ飛ばしてやるから」
頬から手を離し、片手でその頭を小突いた。金髪のウイッグが眩しい。
「感謝しな、出血大サービスのファンサービスだから」
「……はっ、僕は二人のファンなんだっての」
「生意気っ!!」
そう言って、ベ、と舌をだしたら同じ表情を返されてしまった。
ホント、生意気。



