VOICE



「別に、平気だけど。なんていうかさ、俺、昔っから女顔でさぁ」

自分の顔を指差して言う登。確かに。知らない人から見たら男だなんて思われないはず。

「だからかな、母さん面白がっちゃって、小さい頃よく姉貴のお下がりばっか着せられたわけ。ま、さすがに小学校に入ってからは着なかったけど、やっぱり女の子の服装は気になったわけ」

ふむふむ、と頷いている私を見ながら、さらに登は話を続ける。

「でもさぁ~、なぁんかみんなダサいんだよ!センスがねぇの!」

えぇ?急に熱弁しだしたぞ!?

もう残っていないだろうコーラのカップのストローをガシガシと上下に抜き差ししだした。中の氷がガシャガシャ音を立てる。

「だから!俺が着てるの!」

「え?……なんでそこにたどり着いた?」

なんか説明が、ぶっ飛んだ気、するんですけど?

「だってさ、女の子が着るよりも俺のが似合ってたし。この格好、超好きだし」

かわいいでしょ?なんて可愛らしく小首をかしげ、天使の笑顔を作る登。

「う。か、可愛い……」

思わず声に出してしまった。

「ほら、だから俺が着てるの」

「そう、か」

そう言って、私は苦笑いした。

「なに?」

「ん、いやぁ、てっきり私は登が女の子になりたいんだと思ってた」

「あぁ。それは、ない。俺は、ただ単に服が好きなだけ」

私と一緒に、登も苦笑い。
少しだけ、彼のことが分かって、私はホッとした。

登って、案外いい子なんじゃないかなって思った。