VOICE



って、こんなボケツッコミをしてる場合じゃない。
私はクルリと登の方へ向き直って話を元に戻そうとした。

「ていうか登!あんた、なんで私にあんな回りくどい嫌がらせしたわけ?!私が何したっての?!」

理由が知りたかった。なんとなく、住谷あさこと同じ理由なんじゃないかな、とかは思ったんだけど。やっぱり本人から直接聞きたい。

「それは……」

ふと目を伏せて彼が口を開きかけた瞬間。

「えぇ~っ!?なに!あの嫌がらせ、登が犯人なわけ?!」

「のわっっ!!」

「げっっ!?」

私と登はいきなり真横から顔を出した海斗に驚いて飛び退いた。

近っ!!てかさっきまで塀の向こうに居たはずなのに!

「ちょっと!入って来ないでよ、部外者立ち入り禁止だよ!」

「いいじゃん、俺、歌夜の保護者だから。関係者だもん」

だもん、じゃないよ、まったく。いつからあんたは私の保護者なのさ?!

「んもぅ!とにかく、私は早く理由が聞きたいんだぁ!はい、登、続けて!」

「なんか……面倒くさい人達」

私と海斗を交互に見て、呆れ顔をしながらも登は話し始めた。