VOICE



それからしばらく笑い続けた彼は、目尻に涙を溜めたままでやっと顔を上げて私を見た。

「あんた、自分じゃ海斗たちがオチないって、わかってんだ!?ははっ、おもしろ……」

「なっ!?」

なるほど、登が笑ったのはソコか!ていうか笑うって失礼じゃない?

私は憮然とした表情で、笑い続けてる登を見ていた。
そんな微妙な空気の中。

「歌夜ぁ?!」

「へぃっ?!」

急に名前を呼ばれて振り返った私の視界に映ったのは。

「海斗?!な、なんでいんの?!」

校舎裏のブロック塀の上から、ピョコンと出てる海斗の顔がそこにあった。

いつも通りのニコニコ顔の海斗。

「いやぁ~なんか聞いたことのある声がするなぁ、なんて思ってさ。覗いてみたの」

「「……覗くなよ」」

ハモったし!!

私と登、思わず顔を見合わせてしまった。