溺愛されてもわからない!


一夜は自然に道路側を歩いてくれる。
私の歩調に合わせてくれる。

エスコート完璧。

「都会はどう?家で困ってない?」

「うーん。みんな優しいから大丈夫」

これは本当。
みんな優しい。

「転校しなくて大丈夫?」

「うん大丈夫」

昨日は生物の先生と花壇の土を耕して、球根を植えた。
来年はビニールハウスを作って、トマトとナスとキュウリを栽培する予定。

私の事を気に入らない人もいるようだけど、無視されて終わるから大丈夫。
雫さんがガードしてくれるし
愛美ちゃんと仲良しだし大丈夫。

「でも都会の高校ってスゴイよね。髪もピアスも制服も自由で、バイク登校も大丈夫で、留年してる先輩は車で来るんだよ。それもすんごい音が大きい改造車。学校の中もガラスが入ってなかったりアートなペイントが描かれてたりしてる」

「すみれちゃん」

「何?」

「それは普通じゃないから、基準にしないように」

タメ息混じりに言われてしまった。

そうなのか。
都会基準がわかんない。