「籍を入れても家族だろ。行くよ、すみれ」
「えっ?あ、うん。お父さん行くね。温泉楽しんで」
私は一夜の車に乗り
大きく手を振って家族にさようなら。
素直に笑顔で手を振ってくれたのは
お母さんと綾夜芽ちゃんだけ。
月夜は意味不明でアゼンとしてるし
お父さんは……拳銃持ってなくてよかった
持ってたら絶対
一夜の車はボコボコだろう。
娘を息子に取られました。
『和彦さんはすみれが可愛くて可愛くて、誰にも渡したくないんですって』
お母さんがよく言ってる。
ありがたいけど
一夜の嫁になりたいんです私。
「もう見えなくなった?」
「うん」
ミラーで確認して返事をすると
一夜は楽しそうに笑ってた。
「お父さん。少し気の毒」
「情けは無用」
「ひどい」
「邪魔だろ」
その一言に黙ってしまう。
黙るって事は
私もそう思ってるって事だよな。
ごめんお父さん。



