「すみれは僕と行動するから」
一夜はみんなの前でそう言い
戸惑う私の腕を取って
グイッと引き寄せた。
口を開けて驚くお父さん。
その驚きは
私が一夜と行動するって事なのか
私が呼び捨てにされた事なのか
どっちだろう。
「どしたの急にお姉ちゃんを呼び捨てにして」
「家族だから」
「だって前から家族じゃん」
「そっちの家族じゃない方で」
「わかんない」
月夜が頭を悩ませてるけど
一夜はお母さんに抱かれている綾夜芽ちゃんの元へ行く。
「すみれおねえちゃんとお出かけしてくるね。綾夜芽ちゃんが、おやすみ前の歯みがきしたら帰るからね」
優しい声で説明すると
綾夜芽ちゃんは私をジッと見る。
だから私も綾夜芽ちゃんに近寄って
「うん。その時間までに必ず帰るから、泣かないで待っていて」って真面目に言うと、綾夜芽ちゃんはコクリとうなずき「わかった。あやめちゃんは、なかないでまってる」って言ってくれた。
大人だ綾夜芽ちゃん。えらい。
きちんと話せばわかるんだよね。
よしよしって頭を撫でてたら
「そっちの家族じゃないって何だ?何で呼び捨て?お前、昨日……帰ってきたよね。すみれは行くの?お父さんを置いて行くの」
大人じゃない大人が
涙目で私に訴えていた。
えーっと……えっと。困るわ。



