溺愛されてもわからない!


静かな車の中とは正反対に
こんな夜中に
家の中は大騒ぎ。

綾夜芽ちゃんガン泣き。

「すみれ!」
真っ先に私を見て驚いたのはお母さん。

「どうしたの?こんな時間に帰って来て。何かあった?今夜は……和彦さんっ!!」

私に話しかけながら
全てを見透かすようにお父さんに怖い声を出す。

「すみれと一夜君を呼び戻したのね。もう、どうしてそんな事をするの?」

「いや……だって……綾夜芽ちゃんが……」
オロオロ組長。

「だってじゃないでしょう。何を考えてるの?月夜君!あなたもね!」

泣き叫ぶ綾夜芽ちゃんを抱きながら、逃げようとしていた月夜をお母さんは鋭く怒る。

「違うよお母さん。私は自分で帰って来たの。どれどれ綾夜芽ちゃーん」
私は月夜から綾夜芽ちゃんを抱くと
綾夜芽ちゃんは「おねえたーん」って泣きながら私に抱きついてきた。

「おねーたんいない。あやめちゃんさみしいかった。おねーたんごはんたべてもいない」

「もう帰って来たよ大丈夫」

小さな手がギューっと私の首をつかみ
綾夜芽ちゃんの涙が私の頬を濡らす。

ごめんね。
きちんと話をして行けばよかったね。
子供だからって
ごまかしちゃダメだった。

寂しかったんだね。
いつも家族そろってたもん
不安にさせてごめんね。