溺愛されてもわからない!


一夜が田中さんに電話をすると

なんと
田中さんはもうすでに
宿の駐車場に待機中。
準備良すぎ
本当にお父さんの罠って気もしてきたよ。

荷物を素早くまとめて
一夜の車は明日取りに来るとして
私は一夜と高級車の後ろに乗り込んだ。

機嫌が悪いのは私の方
ムッとする私を押さえるように
一夜は田中さんと普通に会話する。

「なんか……わかんないけど……おもしろくない」
ブスッと小声で言うと
田中さんは恐縮しまくり
一夜は笑って私の肩を抱く。

「すみれちゃんの機嫌が悪い時は、お腹が空いてるか眠いかのどっちかだよね。あと二時間かかるから寝ていいいよ」

「また子ども扱いして」

「おやすみ」

額にキスされ
私は一夜の胸で目を閉じる。
寝る気はなかったんだけど

リズムよく流れるように走る車の振動と
優しい一夜の胸の中と
田中さんと一夜の声が
なんとも心地よく

知らないうちに
もう家の敷地に車が到着。

熟睡してました。