綾夜芽ちゃんが寝ないらしい。
えっ?
そんなんで電話する?
「すみれが留守で泣いてる。泣いて泣いてごはんも食べない。泣き疲れて寝て、また起きて、すみれが居なくてまた大泣きで……今も泣いてる」
「お母さんは?」
「今は抱いてごまかしてる。月夜とお父さんも手伝ってみんなで頑張ってるけど、やっぱり……すみれが恋しいようで……」ってまたクシャミ。風邪ひくよ。
「帰って来ない?もう一夜も飲んでる?田中が迎えに……」
横から手が伸び
一夜は私の携帯の電源を切った。
「まだ電話中!」
「いいから」
「綾夜芽ちゃん寝ないんだって」
「大丈夫」
「私を探してるんだよ」
「お父さんの罠。すみれちゃんと僕の温泉旅行がおもしろくないだけ」
「でも綾夜芽ちゃんが……」
綾夜芽ちゃんは誰に似たのかガンコで
泣く時はハンパない。
そして私の事が大好きで
寂しくて泣いている。
「田中さんが迎えに来るって」
「すみれちゃん……」
「気になる。泣きすぎて身体を壊したらどうしよう。あんなにまだ小さいのに」
「お母さんも月夜もいる」
「でも」
私の様子を見て
一夜はガクッと肩を落とす。
「帰ればいいんだろ」
ふてくされた言葉を聞き
我に返って
猛烈に反省。
だよね。ごめん。
一夜の気持ちを考えてないよね私。
最低だゴメン。



