「電話が……」
「いいから」
私の着信音と一夜の着信音が、にぎやかに重なり合う。
「出ようかな」
遠慮がちに一夜に言うと
一夜は「出なくていい」って
私の上に乗り身体を押さえる。
「緊急かも」
「違うよ」
「お母さんかも、何か急用で」
「お母さんは絶対かけてこない」
両手で私の頬を挟み
ちょっと怖い顔で見下ろす一夜。
「絶対お母さんじゃない」
「じゃ……誰だろう」
「佐藤和彦と佐藤月夜……もしくは田中」
言い切りました。
「だから出なくていい」
一夜は毛布を頭からかぶって
私の身体に舌をはわせながら
優しく手を動かすけれど
私は鳴り止まない電話が気になって
集中できません。
「一夜」
「何?」
「電話……出ていい?」
そう言うと
わざとらしいタメ息を吐き
ベッドから降りて
裸のまま私のスマホをテーブルから取って渡してくれた。
すんません。
てか自分のは鳴らしたままなのね。
誰からだろう
あ、やっぱりお父さん。



