溺愛されてもわからない!


温泉サイコー。
ご飯もサイコー。

卓球勝負は
当然
私が勝つに決まってる。

「えっ?あの子プロ?」
「オリンピックの合宿?こんな高級旅館で?」
「彼氏かなりのイケメン。芸能人?」

コソコソとそんな声が聞こえた。
スマッシュ決めすぎたか。

「本気出しすぎ」
一夜に怒られて部屋に戻り
汗をかいたから部屋の露天風呂に直行。

寒い空に輝く冬の星座。
小さな岩風呂で空を見上げ
あまりの静けさに不思議な気分。

さみしい。

佐藤家がにぎやか過ぎるから

綾夜芽ちゃんが走り回り
月夜がその後ろを追いかけて抱き上げ
お母さんが台所から声を上げ
お父さんと田中さんが打ち合わせなどして
たまに事務所から組員さんたちが現れ

いつも音で溢れてる
温かい幸せな音で溢れてる。

正直言えば
静かな時間も欲しいなぁって
思った事もあるけれど

実際
こんな時間をもらうと
静かすぎて怖くなる。

妙にさみしい。