溺愛されてもわからない!


「ごめんね。私も緊張するけど、でも……あまりそればかり考えると、それこそ緊張して吐きそうになる」

お腹痛くなって
お父さんに病院運ばれるだろう。

「だから、せっかくの一夜とのふたりっきりの時間を楽しもうって思って」

ごにょごにょと最後は消えるような声で言う私。
ちょっと落ち込んで目線を下に向けたら
温かい大きな手が私の髪に入り
愛しそうにくしゃっと撫でる。

「悪かった。ごめん」

「ううん。ごめん」

ふたりで謝って仲直り。

「そうだね。よし、父親も田中もいない2人の時間を楽しもう!」

「うん」

楽しまなきゃ。

私達はふたりっきりの時間を予定通り過ごし
豪華な宿に到着。

おおっ素晴らしい。
お父さんのお友達が支配人で、お部屋もいい部屋にご案内。
ありがとうございます。

部屋が二つあって広い広い。
綾夜芽ちゃんが喜んで走り回りそう。
わぁ露天風呂。
部屋に露天風呂があるって
どーゆーの?すごいすごい!!

背中から一夜の手が伸びてきて
彼の顔が私の頭にのる。

「重いよ一夜」

「いい部屋だね」

「うん。露天風呂がある」

「一緒に入ろう」

「やだ!」

「返事早い」

ふざけた会話をしてるけど
そう言われて心臓バクバク。
そんな私を見透かすように

「卓球勝負して、僕が勝ったら一緒に入ろう」

緊張をほぐすようにそんな事を言い
頬にキスして「食事も楽しみ」って大きく伸びをする一夜。

ふたりきりの夜。