溺愛されてもわからない!


ん?ジッと私も彼女を見ると
山の小動物みたいな雰囲気でビクッと震えて
また姿勢を正し
ひとりでお食事。

気のせいかと思ったけど
彼女はもう一度私を見てくれた。

興味ある?
ってー事は
そっち行っていい?
いや行くよ!

狙った獲物は外さない……的な感じで、怖い同級生にイスをぶつけて謝りながら、お弁当を持って彼女の元に参上。

だって寂しいんだもん。
誰かと話をしたいもん。

私が彼女の隣に行ったら
彼女はとっても驚いて引きまくる。

「一緒に食べていい?」
笑顔で私は言い
図々しく彼女の机の上にお弁当を広げた。

「えっ?あの……そんな急に」
ためらいながら目をキョロキョロ
そしてビクビク

怖くないよー私はー。
普通の人間ですよー。

「私……地味だし面白くないよ」

背中を丸め
箸箱の一点をジッと見つめて彼女はそう言った。

ネガティブシンキング?

都会の人は難しい。
空気が悪いのかな。