家に到着すると
振袖姿でダッシュ!
「もう少し着てたらいいのに」
ブツブツ言うお母さんに脱がせてもらい
私はシャワーを浴びて
着物用に結い上げた
バリバリの髪を三度洗いで普通に戻す。
うん。もう少し
このままの姿がよかったけれど
振袖のまま温泉に行けないから
残念だけどまた次の機会に。
早く出かけないと……誰かさんがきっと引き止めるから。
えーっと
荷物はまとめてる
着る服もセットしてる
髪とメイクを整えて
早く一夜と出かけよう
「すみれぇ?」
中年のおじさんが、語尾を小さくするのはおやめなさい。
その悲しい顔をおやめなさい。
すがる目をおやめなさい。
「本当に行くの?」
「うん。明日の夕方に帰って来るね」
「今日は疲れたろ、中止にしたら?」
「大丈夫だよお父さん」
わざと明るく大きな声を出し
私は身支度を整えた。
そして一夜と一緒に玄関から出ようとしたら
家族+田中さんのお見送り
一泊二日なのに
みなさん大げさですよ。



