溺愛されてもわからない!


成人式は終わったけれど
名残惜しく雫さん達と話をしていたら時間が過ぎ、壁の時計を見るともう待ち合わせの時間。

田中さんが待っている。
そして
一夜も待っている。

みんなにさよならして
外に出て田中さんの車に滑り込むと「遅い」って一夜がすでに乗っていた。

「ごめん。話をしてた」

「夢と?」

「一夜は夢君を意識しすぎる」

「それは仕方ないよ」

「私を信頼してないの?」

「してるけど心配」

「心配性」

「今日は可愛いから心配」

動き出す車の中で
そっと言ってくれた。

「振袖を着てね。一番最初に一夜に見せたかったんだよ。先に行くんだもん」

一夜と話をしていると
自分がとってもスネたような
反抗的な甘えた幼い女の子になってる気がする

どうしてだろう
こんなキャラじゃないのに
いつものしっかりキャラが消える。
甘えてるよね私。

「ごめん。今日は父親の目が怖い」

一夜は優しく
膝の上で重ねている私の左手を包む。

一夜からもらった
すみれ色の指輪も彼の手に包まれる。
私の宝物。