溺愛されてもわからない!


深く息を吐くと
「今日なのね」ってお母さんが私の帯を直しながらそう言った。

「うん」

「一夜君、よく4年も頑張ったわね。家族の前では家族の顔を見せてくれてありがとう」

「当然だよね」
考えたら当たり前の話だよ。
その時はせっかく気持ちが通じ合ったのに、お母さんに邪魔された気分になったけど。
月夜と綾夜芽ちゃんの前で兄と姉がベタベタしてたら変だもんね。
見えないとこでは一夜がベタベタしてたけど。

「浮気もせずに2人仲良く過ごしてくれて、本当に嬉しかった。一夜君の真剣な気持ちが伝わった4年間だった」

「変なとこで真面目だよね」

「一夜君は基本真面目なのよ。優しくて思いやりがあって真面目で和彦さんそっくり」

そこかい?
うっとり目線のお母さんの先にご本人登場。

「すみれ?見違えた」

お父さんはそう言ってフラッシュを繰り返す。
撮り過ぎですってお父様。
動きがないですよ私。そんな同じ画像ばかりとってどーする。

「お父さん、もういいよ」

「こんなに綺麗で可愛い子は初めてだよ。世界で一番可愛いっ!!」

溺愛パパラッチパパ。

「大きくしてパネルにして事務所に飾る!」

それだけはやめて下さい。泣きますよ。