溺愛されてもわからない!


庭から見える景色は
大きな南向きの窓。

その中で
お母さんがお父さんのネクタイを直し
金髪黒スーツの田中さんが、綾夜芽ちゃんにミルクを飲ませ
月夜が綾夜芽ちゃんの顔をうっとり眺める。

田中さん
ミルクを飲ませている時もクールだな。

「いつでもヤッちゃって下さい」
無表情で私と一夜に隙を見て告げる田中さん。

いや
ヤッちゃったら
田中さんの嫁になりますから私。
そんな発言しないで下さい。

月夜は綾夜芽ちゃんと結婚したいらしい。
兄妹だから無理だよって言ったら
『だってお兄ちゃんとお姉ちゃんは結婚するんでしょ!』って怒って反論。

お兄ちゃんとお姉ちゃんは血が繋がってないけれど
月夜と綾夜芽ちゃんはバリバリ兄妹だからなぁ

ベンチに座って幸せな風景を見ていたら

「寒くないの?」
ふわりと柔らかい声がかかり
一夜が隣に腰をかける。

「ここ、いい眺めだね」

「でしょう」

そっと指を絡ませて
ふたりでクスッと笑った。