溺愛されてもわからない!


「こんな学校に珍しいね」
雫さんはアイドルみたいな笑みを浮かべてポソリと言った。

もっと突っ込んで聞こうと思うと
授業開始のベルの音。

いつの間にか担任の先生は出て行って
代わりに別の先生がやって来た。

一時間目は数学。
時間割がわからなかったから
とりあえず
今日はノートと辞書とお弁当しか持ってこなかった。

教科書を雫さんに見せてもらおうと頼んだら

「教科書?ごめんね持って来てない」

平然と。そんな返事。

教科書ないの?

スキンヘッドのお隣さんは寝てるし。

てか授業崩壊。
小学生よりひどいんじゃない?

ほどんど授業を聞いてない。

先生だけが何か細々としゃべっていて
教科書を開いているのが一割程度。

あとはしゃべったり
お菓子食べたり
音楽聴いたり
寝てたりスマホいじったりで



いいの?これ。