溺愛されてもわからない!


私が全て語り終わると
夢君も雫さんも目がテン。
たい焼き持って固まってた。

だよねー。

「すみれのこの数ヶ月間って……濃いね」
雫さんの言葉が重い。
ほんとに
愛媛のみかんジュースより濃いわ。

「てっきり夢の彼女になって、幸せしてると思ったら」

「それ言うな」

夢君がふざけて雫さんの頭を突っつき
雫さんは「きゃー」って私に身体を寄せて逃げる。

平和だ。
あんな修羅場を乗り越えて
こんな平和が来るなんて
たい焼きと一緒に心がポカポカ。

私の心を見透かすように
雫さんはちょっと困った顔で
「すみれがお兄さんとそんな仲になるんだったら、別に私達ケンカする事なかったよね」と、言ってくれた。

「うん。ごめんね、私が自分の気持ちに気付くのが遅かった」
正直に答える私。
雫さんが正解。

「気付いてよかったじゃん」

「ありがとう」ジーンとくるわ。
雫さんの友情に感謝してると

「お前たちは俺を突き落としに来たの?」ってポソっと言われてしまった。

再びゴメン。

「でもさ、すみれのお母さんってスゴいよねー」
夢君を気づかうように雫さんがテンション高く私に言った。