溺愛されてもわからない!


それから
教室をグルリと見ると

半分から前の横二列が
ごくごく普通の人たちで
後ろ三列が

異世界。

髪はカラフルだし
制服はおしゃれに着崩しているし
女子はメイクしてるし
アクセサリーもいいんだ。

生徒手帳もらって
今日は校則をじっくり読もう。

先生に紹介してもらい
ペコリと頭を下げたけど
まじめ組も異世界組も
誰も話を聞いてなくて
無視された。

都会はクールだな。
負けるものか。
地味に頑張ろう。

異世界グループの真ん中に席を用意してもらい
そこに座ると
右隣はスキンヘッドで太った男の子。
眉毛がなくて細いメガネをかけていた。
ピアスの量がハンパない。

耳に5つ
鼻に2つ
口元にひとつ

ジッとみてたら中指を立て
にらんで舌を出す。

舌にも2つ
シルバーのピアス。

「すごいっ!痛くないの?」

「あぁ?」

「カッコいい。初めて見た」

真剣にじっくり見てたら
妖怪でも見たような怯えた顔をされてしまった。

「どうやって開けるの?麻酔するの?口の中が冷たくならない?」

たくさん聞きたい事があるのに「変なヤツ」って言われてしまった。

変なヤツ?
慣れ慣れしぃだった。

ゴメン。