溺愛されてもわからない!


「……れちゃん。すみれちゃん」

コソコソ小声で私の名前を呼ばれて
うっすら目を覚ますと
天井との間に一夜の顔のアップがあった。

「うわっビックリ」
声を上げる私の唇に「静かに」って人差し指を当てた。

「おかえり。ごめん寝てた」

「ゆっくり寝れそう?」

「うん。隣に人がいるっていいね」
月夜の寝息を聞いてたら
こっちまで気持ちよくなって熟睡できる。

「明日は僕のベッドで寝よう」
甘い甘い言葉からの
甘い甘いキス。
まだ恥ずかしくて目をそらすと

「別れてきた」と、一夜は言った。

「彩里ちゃんと?大丈夫?」

「うん。たぶん……大丈夫」

いや
たぶんって?

「安心して」

軽く音をたててキスをして「続きは明日」と、部屋を出て行った。

続きは明日って?
暗がりでカーッと熱くなってると

「おねーちゃん?」
月夜がムクっと起き上がる。

見てた?見てないよね。寝ぼけてるよね!
私は月夜と一緒にベッドに入り
小さな可愛い手を繋いで目を閉じる。

たぶん……が、不安。