溺愛されてもわからない!


「安心して寝て」
布団を直して一夜が言う。

スッキリしないと眠れない
さて
どこから話を聞こうか悩んでたら、お医者さんと看護士さんがやってきて一夜は部屋を出た。

お医者さんによると
明日、精密検査をして
何でもなかったら
あさって退院。
明日すぐ帰るつもりがショック。

入院なんて初めてだから緊張するよ。
お医者さんが帰ると
すぐ一夜が部屋に戻って来て
ベッドの上からその姿を見てホッとする。

「お腹空いてない?パンあるよ」

「それより話を聞きたい」

「あ?いいの食べなくて?」

「いらない」って自分の言葉にお腹が反応したのか、グーッと鳴る。正直すぎるぞ私のお腹!恥ずかしい。

一夜は爆笑し
私の大好きなバターロールをサイドテーブルにのせる。

広い個室。
ソファもテーブルもあってホテルみたい。
トイレも洗面所もありそう。

一夜の手が伸び
枕元のリモコンで私の上半身は少しずつ上昇。バターロールを渡し「本当に無事でよかった」と、しみじみ言われてしまった。

あまりにも衝撃すぎて
自分でも
本当にあったのだろうか
夢だったのでは……って、思うほど。

でも
この身体の痛みは夢じゃない。