溺愛されてもわからない!



「遠慮してたけど、雫さんのせいじゃない。雫さんは悪くない。はっきり自分の気持ちを雫さんにも夢君にも、言えなかった自分が悪い」

【自業自得】
今年を締めくくる私の四文字熟語。
どっかのお偉いお坊さんに色紙を書いてもらいたい。

「俺はさ……」

「うん」

「自分に自信がなかった。あの時、一夜が部屋に入って来て、すみれがためらってるのは一夜のせいだと思ってた」

「違うよ」

「だから井口の事ですみれが悩んでいたのはわかるけど、一言でいいから、あの時『好き』って言って欲しかった」

「ごめん」

「俺がワガママなんだ……ごめん」

「夢君は悪くないよ」

「一夜に嫉妬して、すみれを疑った俺も悪い。ごめん」

夢君の手が後ろに回り
私の肩を抱き寄せた。

あったかい。
夢君とくっついてると
あったかくて泣けてくる。

「仲直りしよう。俺もすみれが好きだよ」

やっと夢君は私の顔を見て笑ってくれたから
私は嬉しくて泣きながら「うん」って何度も返事をする。

夢君の体温を感じながら
私は夢君の疑問をスルーしていた。

どうして私は、言えなかったんだろう

雫さんの事で頭がいっぱいでも
一番大切なのは夢君だから
一番好きな人にまずは誤解されたくないし
自分の気持ちを伝えるのが一番大切だよね

だから
何があろうと夢君に『好き』って言わなきゃいけなかったのに

どうして
言えなかったんだろう。

どうしてだろう……。