「雫さんがね、昨日夢君に自分の気持ちを言って、ダメで……『好きな子がいる』って断られたんだって。雫さん泣いてた。だからごめん、雫さんに自分の気持ちを言えなかったけど、いや……絶対絶対言うから大丈夫。それで先に今から夢君の家に行く。そして夢君に自分の気持ちを伝える『好き』って言ってくるから」
返事はない。
寝てるな。
「頑張ってくるからね」
大きな声で一夜の部屋のドアに言い
出かけようと思ったら
ドアが開いて
上半身裸の一夜が寝ぼけた顔で立っていた。
乱れた髪が色っぽい。
王子様は細マッチョ。
「『頑張れ』って言いたいような……『見事にコケろ』って言いたいような複雑気分」
「昨日みたいに『安心して前に進め』って言ってよ」
「そうだね、僕はドMだから『頑張れ』って言っておく」
「ありがとう」
「やっぱ複雑。おやすみ」
無常にもドアは閉まる。
ドM?ドSでしょ。
どこがドMだ。
でもちょっと甘えた。ごめん。
なんでだろう
一夜になら何でも言えるし
甘える事ができる。
自分でもわからないけど
これはあまり
よくない気がする。
説明できない変な気持ち。
それより夢君だ!
もう逃げないよ!
行こう!



