溺愛されてもわからない!


何度も何度もスマホに手を伸ばし
指を動かせず終わる。

何をどう言えばいいのだろう

誰に何を言えばいいのだろう。

雫さんに自分の気持ちを告げたとしても
もう
夢君の気持ちは私から離れてる。

それなら
いっそ夢君と雫さんをくっつける?自虐的すぎ。

すごくお似合いだけどね

ひとり悶々しながら
時間だけがムダに過ぎてしまう。

夜中になってシャワーを浴びても食欲は出ず
そのまま部屋で静かにしていると

廊下を歩く音がする。

一夜が帰って来た。

私は慌てて部屋から出ると、一夜が顔を向ける。

「……おかえりなさい」

私が小さくそう言っても
一夜は何も答えず自分の部屋に入る。

嫌われた。

捨てられた仔犬の気分。
じわじわと寂しさが押し寄せて
ストンとその場に座っていると

ヒョイと一夜のドアが開き「おいで」と、手招きされたから

私は涙を拭いて

静まり返る夜中の時間
一夜の部屋に入って行った。