一夜は堂々と部屋に入ってドアを閉める。
夢君は私を抱きしめながら
一夜の目をしっかり見て
「すみれに告った」
堂々とそう言う。
私はまるで
他人事のようにこの場面を見てしまう。
どこかで見たドラマのワンシーンのようだった。
絶対自分には無関係なシーンで、ありえない設定。
だけど
これは現実。
「それで返事は?」
一夜はクールな表情を変えずに私に聞く。
返事は……返事は……。
「すみれはどう?俺と一夜のどっちが好き?」
言葉が出ない
嬉しいよ。私も夢君が大好きだよ。
でも……言葉が出ないのは
頭の中に雫さんの顔が浮かんでるから
田舎から出て来た私と仲良くしてくれて
いろんな事を教えてくれて
楽しくて優しい雫さんが
どんなに夢君が好きか私は知ってる
雫さんの頭の中は夢君でいっぱいで
私に協力してほしくて
私も『うん』って言っちゃって
あぁ
こーゆー事なんだよ
早く片付けないといけない問題を
後回し後回しにしているから
こんな事になるんだよ
一夜が言ってた事は
こーゆー事だったんだね。
自分が情けない。



