溺愛されてもわからない!


「あら、お友達って男の子だったの?」

お母さんは夢君を見上げて驚き
月夜は面白くなさそうな顔で
田中さんはクールなまま。

「水無月です。すみれさんとは同じクラスの友人です」って、緊張顔でお母さんと田中さんに挨拶をした。

すみれさんって初めて呼ばれた。
何かくすぐったい。

「あっ、部屋に連れて行くね」

みんなの目線が怖いから部屋に行こう。
和彦さん居なくてよかった。
夢君は月夜に「大きくなったね」って笑顔を見せてから、私に背中を押されて二階へGO。彼を部屋に入れてやっと緊張が解けた感じがする。

「月夜君は成長したね」
夢君は部屋を見渡しながら私にそう言った。

「前に遊びに来た時はまだ小さくて、家政婦さんにピッタリくっついてた」

「そんな可愛い時代があったんだ。今なんて超生意気」

「でも仲良くやってんだろ」

「うん。やっと家族になりつつある」

「頑張ったな」

振り向きざまにそう言われ
ギュッと胸が熱くなる。

「あ、座って……今、飲み物でも……」

「別にいいよ。顔赤いぞ、まだ熱あるんじゃない?」

大きな掌が私の額に近づき
そっと夢君の手が触れる。

「熱いかも」

「大丈夫だよ」

夢君が触ってるから熱くなってるだけ。