溺愛されてもわからない!


まだ病み上がりで
身体はダルいけど気分上々。

お昼はお母さんと田中さんと食事。

そして夕方友達が来るので、セキュリティを解除して欲しいとお願いしておく。田中さんは無表情で「わかりました」と言い、お母さんは嬉しそうに「月夜君が帰ってきたら一緒にクッキー焼くから、それをおやつにしましょうね」って言ってくれた。うんうん楽しみ。私も楽しみ。そして田中さんにこっそりと友達は赤い髪したデカい男の子と一応言っておく。間違って事務所に連れて行って監禁しないように念を押す。何が起きるかわからない世界。それが佐藤家。

月夜が帰って来てお母さんとクッキーを焼き
田中さんはそれを手伝い
私は落ち着かず本など読みながらそこで時計とにらめっこしていたら

夕方になり
夢君がやってきた。

「いらっしゃいませ」
出て行こうとする田中さんを必死で制し、私は夢君と玄関でご対面。

「もう大丈夫?」

「うん。熱下がったよ」

すんごい久し振りに会った気がする。
なんだか
最近はバイトも入ってたせいか
学校ではツーショットないし
雫さんに遠慮したり
すんごくすんごく遠く感じて
そして学校休んでたし

すんごくすんごく
今は嬉しくて
何だか泣きたい気分で涙が浮かんできた。