朝から浮かれてしまうよ。
ニタニタ笑顔で朝食を終え
一夜に突っ込まれたら困るので、逃げるように自分の部屋に行くと後ろから気配。
振り向くと田中さんが付いてくる。
「大丈夫だから、事務所に行って下さいよ」
半泣きで訴える。
「自分の事は気にせずに、こちらで見張らせていただきます」
スッと田中さんは私の先を歩き
私の部屋の前で座り込む。
完璧に見張り。
「どこにも行かないから大丈夫」
強く訴えても
「すみれお嬢さんは目を離すとどこに行くかわからないので、しっかり見張るように命令されてます」の、一点張り。
さすが組長。
私の性格を見抜いてらっしゃる。
そこにお母さん登場。
助かった―。
お母さんから何か言ってよ。
田中さんを撤収させてよ。
すがった目で見ちゃうけど、お母さんは
「イス持って来ました」と、パイプ椅子を田中さんに渡す。田中さんは恐縮して受け取り、ポケットから難しそうな文庫本を取り出しイスに腰を下ろした。これは何を言ってもムダだな。家の中で監視付とは悲しい。
あきらめて自分の部屋に入り
もう一度
夢君からのLINEをチェック。
今日会えるんだ。
「やったぁ!」食卓で声に出せなかった分、今ここで大きな声で叫ぶと「すみれさんっ!」って田中さんが拳銃片手にやって来た。
嬉しい悲鳴も上げれないのね。



