溺愛されてもわからない!


私が笑うと
プイッと横を向く月夜。
機嫌悪くしたかな。

そのまましばらく
私達は黙って横に並ぶ。

空には冬の星座。
下で見るより
空に近い方が綺麗に見えるね。

「屋根の上はお月様が綺麗に見えるよ。まさに月夜だね」

返事はない。

「みんな月夜が大好きだよ。心配してるから早く降りよう」

「心配してないもん。俺なんてどうでもいいんだもん。俺なんていらない子だもん」

「それは違う」

「いらないから……俺を産んだお母さんは、俺とお兄ちゃんを捨てたんでしょ?」

「違うんだよ月夜」

私はブランケットをかぶる月夜を抱きしめる。

「お母さんが昔教えてくれたんだけど、世の中でいらない子は、いないんだって」

まだ泣き足りないのか
月夜は私の腕の中で泣いていた。

「必ず誰かの大切な子なんだって」

「俺も?」

「もちろん。だって私も寂しくて泣いてたんだから。大好きなお母さんとずっと一緒にいたけどさ、和彦さんと結婚して月夜がお母さんと仲良くなって、私はこの家にいらないのかなぁって思ってた」

子供扱いせず
私も月夜に正直に話す。
すると月夜はブランケットから顔を出し

「すみれはいらなくない!俺はすみれが好きだもん」

必死になって言う姿が嬉しくて、こっちまで泣けそう。