溺愛されてもわからない!


「赤ちゃん産まれたら、お母さんは俺なんていらなくなるもん。赤ちゃんの方が可愛いんだもん。本当の赤ちゃんの方が可愛いんだもん。お父さんだってお兄ちゃんだってすみれだって、赤ちゃんの方を好きになるもん。俺はいらない子なんだもん」

屋根の上で泣きまくる幼稚園児。

そうか……だから元気なかったんだ。

それで屋根の上に家出なのか

「また俺は捨てられるんだもん。俺はいらない子なんだもん」

屋根の上で泣き叫んで暴れるものだから
足元のリュックが屋根から滑り
真っ逆さまに私達の目の前に落ちてきた。

怖い

興奮させて月夜が落ちてきたら大ケガする。

危険だ。

「月夜。絶対動くな!」

心配でふらつくお母さんを和彦さんは支え、月夜に指示をするけれど月夜の興奮はおさまらない。


月夜のバカ。

もう……本当にバカ。


私は家の中にダッシュして入り

階段をすごい勢いで駆け上がった。