「いるよ。月夜はここにいる」
「でも、どこを探しても家の中にはいない」
そう。家の中は完璧探した。
すんごい狭い場所も探した
家の中に居なかったら
「外から見よう」
私は一夜の腕をつかんでダッシュで玄関に行き
お母さんのサンダルを履いて庭に出る
そして庭から屋敷を見上げると
月夜が
寒空の中
ブランケットで身体を包み
ウルトラマンのリュックを足元に置き
二階の屋根の上で丸まっていた。
「月夜!何やってんの!」
みんなをこんなに心配させといて
下に降りてきたらゲンコツだ!
私の大きな怒鳴り声を聞いて
家の中からみんな出て来た。
「早く降りて来い」
一夜も怒鳴るけど
肝心の月夜は首を横に振る。
「どんだけ心配したと思ってるのよ。説教してやるから降りて来なさい」
誘拐されたと思ったんだからね。
怒りの姉が叫ぶと
月夜は半分泣いた声で私達に向かって
「いやだ。赤ちゃんなんていらない」って叫ぶ。



