溺愛されてもわからない!


「もう一回、家の中を徹底的に探そう」

幼稚園児だもん。
大人が考え付かない場所で隠れてるかも。
隠れたまま疲れて寝ちゃってるかもしれない。

黙ってるのは嫌だ。

「お母さん、月夜の友達の家に電話してみてくれる?僕はすみれちゃんと家の中をもう一度探すから」
ゆっくりと優しい声で一夜はお母さんに言い、お母さんはコクリとうなずいてスマホを手にした。

田中さんは続けてチェックをして
和彦さんは事務所と居間を走り回る。

それぞれに頑張ろう。
月夜を探すの頑張ろう。

「月夜ー。出ておいでー」

「どこだ月夜!」

家の中で私と一夜の声が響く。
広い家をくまなく探す。
各部屋のクローゼット。
ベッドの下、浴室、屋根裏。
野菜室に洗濯置き場。
幼稚園児が隠れるスペースのある場所を徹底して探す。

最後は月夜の部屋で一夜と合流。

ウルトラマンと怪獣達が寂しそうに並んでいた。

一夜の顔が曇る。
唇を噛みながら怖い顔でウルトラマン達を見ている。

心配で胸が張り裂けそうなんだね。

いつも自信満々の一夜なのに
なんて苦しそうな表情。

そんな姿を見るのがつらいよ。



月夜はどこにもいない。