溺愛されてもわからない!


乱暴に涙を拭き
青ざめるお母さんをソファに座らせる。

「大丈夫。絶対大丈夫」
自分に言い聞かせるようにお母さんに強く言うと、一夜と田中さんがノートパソコンを広げて、テーブルの上で接続し始めた。

この大事な時にパソコン?
あきれながら動く画面を覗くと、田中さんは手早くキーボードを打ち込んで、画面に沢山のアングルの小窓を開いていた。

この景色知ってる。
玄関と居間と台所。洗面所に廊下。
二階の廊下に私達の部屋まである。
庭も景色が動いてる。

監視カメラ?

「月夜様は二時間前までは、こちらにいらっしゃいましたか?」

「うん……居た」

そこに座ってテレビゲームしてた。
そしてお母さんに「ゲームは時間を決めてね」って注意されたけど、返事はなかった。

「では二時間前から再生します」

さりげなく田中さんはキーボードを叩いて冷静に画面を見るけど、私の部屋まで丸見え。

「監視カメラ設置してるってひどい」

人権無視!
乙女の着替えとか見えるでしょうが!

まさか自分の部屋に監視カメラがあるなんてありえない。

「何があるかわかりませんので、セキュリティにやり過ぎはありません。命にかかわります」
ピシャリと強い口調で私に言い、一夜もうなずく。

それほど怖い世界。
念には念を入れなきゃ
命の危険に関わるのか。

月夜 無事でいてね。

「万が一を考え、事務所カメラの方は近藤と西村にチェックさせてます。今、抗争の考えられる相手は武田組ぐらいしか心当たりはありません。組長は親分さん達のお気に入りで怒らせると怖いのはわかってるので、自分としては第三の可能性だと思います。武田組を探らせてますから。組長、発信機の方はどうでしょう」

「確認する」

発信機?