溺愛されてもわからない!


「どうしたの?」

「え?別になんでもないよ。デート?行ってらっしゃい」

「顔色悪いけど」

「なんでもない大丈夫」

「すみれちゃん?」

「本当に何でもないのっ!」

怒鳴ってしまった。
大きな声を上げてから涙ボロボロ。

どうして泣いてるんだ私。
一夜の顔を見て声を聞いたら
涙が止まらなくなってしまった。

一夜はポケットから携帯を出し、私の顔をジッと見ながら『ごめん。今日は行けなくなった許して』と、どこかへ電話をして私の身体をそっと抱く。

「どうしたの?」

「どうもしない」

「そんなに泣いて?」

「大丈夫だから、出かけていいよ」

「こんなに泣いてる義妹を残して?」

「大丈夫だって」

大丈夫を繰り返しながら
私は一夜の胸から離れる事ができなかった。

こんなヤツに甘えるなんて
どうしちゃったの私。

でも今は一夜の胸の中が温かくて
背中に回った手が優しくて
正直言って離れたくない。ずっとここに居たい。

そんな気持ちでいっぱいだった。