溺愛されてもわからない!


雫さんは慣れたように男子をあしらい
さっさと歩き出す。

カッコいいなぁ。

「雫さんってモテるよね」

「そうでもないよ」

いやいや
男女問わずモテモテでしょう。

「彼氏はいないの?」

「いたら、すみれとこんなとこ歩いてないって」

「そっか」

「納得すんな」

外は夜の始まり
街灯が点いて仕事帰りの人が歩く
冷たい風が頬と足元に舞う。
どこからか聴こえるクリスマスソング。
街の飾りもサンタさんがチラホラ見えて、心が浮かれる。

「すみれは好きな人いる?向こうに彼氏いた?」

「あっちにはいない。雫さんは?」

「わたしは……言わない?絶対言わない?」

雫さんはいつもの綺麗な顔から可愛い顔に変化。
これは恋する乙女ってヤツ?
雫さん好きな人いるの?

「誰にも言ってないの。他の人に言わないでよ」

「言わないよ。絶対言わない」

ワクワクドキドキ。
どこのクラスだろう。いや雫さんクラスだと大学生?
先輩?きっと他の高校かな。
どんなタイプが好きなんだろう。
いやーすんごくワクワクしちゃう。